50代から始める投資の教科書|『敗者のゲーム』を読んで気づいたこと

「ウォール街のランダム・ウォーカー」を読んで、インデックス投資に対する興味、探究心が湧きました。その著者であるバートン・マルキール氏がこの本を推薦しているんですね。そうであれば、読まない理由はありません。

読み始めて気づいたのは、この2冊が同じ結論に向かって、異なるアプローチで書かれているということです。マルキール氏はインデックス投資が優位にあることを、学術的なデータで裏付け、解説する。エリス氏は投資の実務家として、自分の思想を直接語りかけてくる。そんな違いを感じました。両方読むと、インデックス投資がベストだという確信が高まります。

初版は1985年です。著者はチャールズ・エリス氏。ハーバード・ビジネス・スクールで最優秀MBAを取得し、投資コンサルティング会社グリニッジ・アソシエイツを率いた人物です。その後は、世界的な投資運用会社であるヴァンガード社の取締役も務めました。

タイトルの「敗者のゲーム」って意味がわかりにくいですよね。どういうことなのか、エリス氏はテニスを例にして説明しています。

プロのテニスはウイニングショットで勝負が決まります。つまり「勝者のゲーム」です。しかし、これと言った決め手のないアマチュアのテニスは、ミスをした方が負ける「敗者のゲーム」です。

現代の株式市場は、これと同じだと主張しています。

機関投資家は圧倒的な情報量とスキルを持っています。さらに市場の9割を占めます。そんな強大な機関投資家に個人が勝とうとすることはばかげている。勝とうとしなければ、負けない。そういう理論なんですね。

それを3つのパートに分けて説明しています。最初のパートで資産運用の本質を現実を解説し、次のパートで運用の基礎について述べ、最後に人生設計と投資の組み合わせ方を示しています。

3点あります。

ポイント① 暴落したときの聖書

50代・60代にとって、暴落は若い世代より怖いものです。投資期間が短く、元本を割ることもあるでしょう。そんなときに読み返してほしい一冊です。元気づけられることが書かれています。落ち込んだときが正念場です。本書の内容を心に留めれば、きっと暴落を乗り切ることができるでしょう。

ポイント② コストの重要性を徹底的に教えてくれる

手数料を意識しろ。エリス氏はこの点を繰り返し強調しています。50代からの資産防衛において、コストに注意することは特に重要です。残り時間が限られているからこそ、無駄なコストは排除しないといけません。

ポイント③ 感情で動くな

相場が暴落すると、気分は落ち込み、売りたくなります。逆に上昇し続けると、出遅れてはならないと、もっと買いたくなります。これが最も損をするパターンと指摘しています。感情で動いてはいけない理由を論理的に説明しているんですね。相場が熱狂しているとき、暴落したときに、冷静でいろ。これは難しいことですが、感情を制御することが生き残る秘訣であるわけです。取り崩しが間近、またすでに始まっている50代以上にとって、重要な教えです。

名言が多く、ひとつ選ぶのは難しいです。強いて言えば、コレでしょうか。

上のポイント③とも関連しますが、投資家の一番の敵は自分の感情だと思っています。投資をしていると、他人の成功談が気になります。3年で5000万円にした、FIREした、というような話を聞くと、うらやましくなり、また自分のやり方が正しいのか不安になったりもします。もっと投資したくもなるでしょう。

エリス氏はこう説いています。「他人と比べる必要はない、自分のリスク許容度に合った計画を立て、それを淡々と守り続けろ。それがあなたの投資の正解だ」と。

株が最高値を更新しても、暴落しても、自分の決めた投資を貫く。これが成功の可能性を高める方法と言えるでしょう。

こんな人におすすめ

・インデックス投資とは何なのか、一冊で知りたい方

・暴落や人の投資が気になり、感情が揺れやすい方

・投資の成功率を高めたい方

『敗者のゲーム』は、投資をするなら、ぜひ読んでほしい一冊です。

SNS上の情報で不安になったときも、この本を読めば迷いは吹き飛ぶでしょう。

何をするか、ではなく、してはならないことを教えてくれます。勝とうとしない。感情で動かない。コストを払いすぎない。

言っていることはとてもシンプルです。感情を殺すことは難しいですが、実践して投資の成功率を高めていきましょう。


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