50代になって投資信託を選ぶとき、「どれを買えばいいか」迷ったことはありませんか。
オルカンやS&P500は、投資信託の定番として人気があります。しかしNISA口座で買える投資信託はほかにもたくさんあります。なので、債券を組み入れた、値動きの小さいバランスファンドのほか、NASDAQ100、FANG+のようにリスクの大きい商品も、ケースによっては選択肢となってきます。
こんにちは、トシです。
50代以降の投資信託選びで大事なのは、過去に一番値上がりした商品が何であるか、を調べることではありません。退職までの年数はどのくらいあるか、あるいはすでに退職しているのか、資産額はいくらか、いつお金を使うのか、そして下落したときにどこまで耐えられるか。この4点を踏まえて、自分の取ることのできるリスクを考えることです。
今回は、動画で紹介した5本を「守り・標準・攻め」の投資信託の順で整理し直しました。これは優劣をつけるための整理ではありません。あなたにどれが合っているのか。あるいはこれらを組み合わせてポートフォリオを作るのか。それを考えるための記事です。
この記事でわかること
- 5本の投資信託の特徴とリスクの違い
- 50代で高リスク商品を持つときの注意点
- 現金を含めて資産全体を考える方法
動画は2025年9月21日に公開しました。初期費用や年間の手数料、NISAの対象となっているか、純資産総額、構成銘柄などは変わるため、購入前に最新の目論見書と運用会社の公式情報をご確認ください。
「投資信託5選」は、おすすめの順位ではない
今回取り上げるのは、次の5本です。
| 位置づけ | 投資信託 | 主な投資対象 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| 守り寄り | ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型) | 国内外の株式・債券 | 株式100%型より上昇力は小さくなる傾向がある |
| 標準型 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 日本を含む世界の株式 | 株式だけなので値動きが激しい |
| 標準型 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 米国の主要企業 | 米国一国への集中度が高い |
| 攻め | ニッセイNASDAQ100インデックスファンド | NASDAQ上場の非金融大手企業 | 業種・銘柄の偏りが大きい |
| 超高リスク | iFreeNEXT FANG+インデックス | 米国の大型テクノロジー企業など | 少数銘柄への集中で値動きが非常に大きい |
この中から複数を選ぶと、投資先が重複し、米国大型株やテクノロジー株への偏りを強めてしまう場合があります。
守り寄り:ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
国内株式、先進国株式、国内債券、先進国債券に25%ずつ投資するバランスファンドです。株式と債券を半々で持つため、株式100%の投資信託に比べると値動きが穏やかになる傾向があります。
退職が近い方、相場の上下に一喜一憂したくない方、増やすことより減らさないことを優先したい方には、候補となる投資信託です。
確認したい点
債券が入っているからといって、元本が保証されるわけではありません。株式と債券が同時に値下がりするケースもあります。また株式の上昇相場では、株式100%のインデックスファンドよりリターンが小さくなりやすい点も頭に入れておいてください。
標準型:オルカンとS&P500
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
日本を含む先進国・新興国の株式に、1本で幅広く投資できるインデックスファンドです。
世界全体の成長に期待する方、どの国や銘柄が伸びるかわからないため、広く多くの銘柄を買いたい方に向いています。ただ、世界に分散しているとはいえ、米国株の比率が高く、米国の株式市場の影響を大きく受けます。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
米国の主要企業で構成されるS&P500指数と連動するよう、運用されるインデックスファンドです。
米国企業の成長に期待する方に向いていると言えます。しかし、米国一国に集中するため、米国市場が長期的に低迷した場合、低リターンになる可能性があります。
オルカンとS&P500のどちらが正解?
20年、30年後、どちらのリターンが高くなるかは、誰にも分かりません。現在、オルカンの中の米国株の比率が高いため、両者は似たような値動きをすることが多いです。ただ、将来、オルカンのなかの米国株の比率が低くなることはありえます。なので総合的にみて、自分にはどちらが合っているか。それで考えればいいと思っています。これは好みの問題なので正解、不正解はありません。ちなみに僕はS&P500を長期保有しています。
三菱UFJアセットマネジメントのeMAXIS公式情報を確認する
攻め:ニッセイNASDAQ100インデックスファンド
NASDAQ市場に上場する企業のうち、金融銘柄を除いた時価総額上位100社で構成されるNASDAQ100指数への連動を目指すファンドです。
成長力の高い企業が多く含まれる一方、テクノロジー関連企業への偏りが大きく、値動きも荒くなりがちです。過去には最高値を10年以上更新できない期間があったことも、知っておく必要があります。
50代以降でこのファンドを持つなら、「老後の生活に影響しない余剰資金を使う」という点です。またメインにせず、ポートフォリオのごく一部にとどめれば、値下がりした時の影響を小さくできます。
超高リスク:iFreeNEXT FANG+インデックス
米国の大型テクノロジー企業を中心とした、ごく少数の成長企業へ集中投資するインデックスファンドです。そのため、1社の株価が指数全体に大きな影響を与えることがあります。
過去の大きな上昇実績が目を引くため、投資したくなる一面を持っています。しかし、リスクはとても大きいです。S&P500やオルカンの期待リターンでは物足りない。また15年や20年も待てない。短期で考え、高いリターンを狙いたい。そういった事情で投資するなら、要注意です。
50代以降での投資のポイント
- 半値近くまで下がっても、売らずに持ち続けられるか
- 老後資金や生活防衛資金とは、きっちり分けられているか
- オルカンやS&P500を購入しているなら、銘柄がかなり重複していることを理解しているか
50代の投資信託選びで見る5つの基準
1.資産を使うまでの期間
数年以内に使う予定のあるお金を、値動きの大きい投資信託に入れる場合は、一度立ち止まり、よく考えてください。相場が下がったとき、必要になったら、より資産が減る可能性があります。
2.下落率ではなく、減る金額でみる
「30%下落」と言われても、数字だけではピンとこないものです。500万円なら150万円、1,000万円なら300万円が実際に減る場面を想像してみてください。動揺せず、投資信託を売らずにいられるのか。減っても生活に支障はないか。そこが判断の基準になります。
3.信託報酬だけでなく、実質的な費用でみる
投資信託には信託報酬のほかにも、売買委託手数料や保管費用など、別のコストが発生することがあります。実際の費用は、最新の目論見書と運用報告書で確認してください。これは変化していきます。
4.NISAの対象区分と販売会社
つみたて投資枠・成長投資枠の対象区分や取扱販売会社は、今後変わることがあります。購入する場合は、取り扱いの証券会社や運用会社で条件や最新情報を確認してください。
5.資産全体でリスクを計算
オルカンを持つにしても、総資産の10%持つ人と、90%を投資する人ではリスクがまったく違います。預金、国債、退職金、年金なども含めた資産全体で考えることが大切です。
5本全部買っても、分散になるとは限らない
オルカンには米国の大型企業が組み込まれています。S&P500にも同じ企業が入っていますし、NASDAQ100やFANG+になると、そのうちの一部へさらに投資が集中します。銘柄の重複が多くなります。
つまり4本買って分散投資したつもりでも、中身を見ると米国大型テクノロジー企業を買い増しているだけ、ということが起こり得ます。
なので商品数を増やしても、投資先の分散にはならないことがあります。投資先の分散を考えるなら、ゴールドや個人向け国債など株式ではない資産への投資を検討したほうが、リスクが小さくなる可能性があります。まず中心に据える投資信託を1本決めてから、そのほかの資産を考えましょう。
守り・標準・攻めの考え方
守りを重視
4資産均等型のようなバランスファンドを軸に、現金や個人向け国債を組み合わせます。値動きを抑えることを何より優先する考え方です。
標準型
オルカンかS&P500を中心に据え、近いうちに使う予定のお金は現金や安全性の高い資産に分けておきます。
攻めを加える
広く分散された投資信託を軸にしたうえで、余剰資金の範囲内で、NASDAQ100やFANG+の購入を検討します。ボートフォリオ内での配分が大きくならない、調整します。
以上は考え方の一例です。資産額、年金額、生活費、家族構成、退職時期によって、自分にあった資産やその配分は変わってきます。
シミュレーターで資産全体を確認する
オルカンに投資していて、分散投資を考え、個人向け国債を購入したい。しかし、資産全体でどれくらいのリスクになるのかがわからない。そういう方は多いと思います。計算するにしても電卓では大変です。
50-moneyの「ポートフォリオ作成シミュレーター」では、米国株式、オルカン、国債、ゴールド、現金などの比率を入力すると、期待リターン、リスク、下振れの目安を確認できます。
動画では5本のデータと資産配分例を比較しています
5本の投資信託をリスク、リターン、運用効率、費用のデータを挙げて比較し、現金を含めた3タイプのポートフォリオ例も紹介しています。
動画公開から時間が経ち、最新データでの検証にはなっていません。しかし、だいたいの傾向は読み取っていただけると思います。NASDAQ100やFang+のリスクは高く、一般的に50代以上には向きません。しかし、資金に余力がある方は、投資対象となるのであえて紹介しています。守りと攻めの投資信託の違い、またリスクがどう違うのかを確認したい方は、ぜひご覧ください。
まとめ:商品を選ぶ前に、自分の取ることのリスク(リスク許容度)を考える
5つの要点です。
- 値動きを抑えたいなら、債券を含むバランス型
- 世界全体へ投資したいなら、オルカン
- 米国企業の成長を重視するなら、S&P500
- NASDAQ100やFANG+は、集中リスクを理解した人向け
- 50代以降は、現金や安全資産を含めて考える
老後資金に十分な余裕があり、投資をしなくても困らないなら、僕は無理にリスクを取る必要はないと思っています。
それでも投資が必要だと感じる場合は、商品選びから入らないでください。まず、いつ使うお金なのか、減っても耐えられるお金なのかを確認する。そのうえで、自分の条件に合った投資信託と投資額を考えていきましょう。
ご注意
この記事は、投資信託と資産配分を考えるための一般的な情報を提供するものであり、特定の金融商品や配分を推奨するものではありません。投資信託には元本割れの可能性があります。商品情報は変更されることがあるため、購入前に最新の投資信託説明書(交付目論見書)をご確認ください。実際の判断は、資産状況、生活費、運用期間、リスク許容度などを踏まえて行ってください。

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